外来で可能な画像検査はレントゲン撮影、MRI検査、CT検査(3次元CT)などです。
MRI検査などでは椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄、変形性変化、神経腫瘍、椎体腫瘍、骨転移などが見つかります。無症状の画像上の神経の圧迫なども普通に存在します(椎間板ヘルニアで一生症状の出ない無症候性ヘルニアは25%程度あると言われています)。
そのため、詳しい問診や診察所見の結果と画像検査所見が一致して、初めて手術適応となります。
責任病巣の診断目的のために、神経ブロックを行う場合もあります。腰痛の精査のための椎間板造影ブロック、下肢の神経症状(坐骨神経痛、大腿神経痛など)の精査のための神経根ブロックなどです。
ブロック直後に痛みが消失した場合は、診断が正確となり、不必要な手術の危険性が少なくなります。
また幸いにも神経根ブロックなどで疼痛が長期間消失した場合は、手術自体が回避出来ます。
手術適応患者様で、脊髄 馬尾神経の圧迫性疾患の場合は脊髄造影検査を全例に施行します。
局所麻酔後、腰椎から針を穿刺し、脊髄液内に造影剤を注入します。その後、患部のレントゲン、CTを撮影します。検査後は3~8時間のベット上の安静が必要となります。
近年、MRI画像精度が良くなり脊髄造影 造影後CT検査を行わない施設も増えています。
しかしながら、MRI検査のみでは判定困難であった脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア(脊柱管内、外側)を私たちは経験しています。
脊髄造影検査後の動態撮影(伸展、屈曲での神経の圧迫程度)、CTの空間分解能(特に骨組織と神経の関係)はMRIより脊髄造影、造影CTが優れていると考えられます。
脊椎・脊髄の顕微鏡手術ではミリ単位の精度を要求されます。そのため脊髄造影は必須の検査です。
造影検査に際しては合併症が起こらないよう細心の注意をはらって行っています。
*当院は入院後、術前検査→手術の流れでおこなっていますので、術前検査のみの入院、その後手術のための再入院の必要はありません。
代表的な疾患に関して疾患の概略、手術方法について説明します。
実際の手術説明(インフォームド・コンセント)の際は、骨模型や画像モニター、詳しい手術説明書などを使用し、なるだけわかり易く表現するように心掛けています。