食事を食べ過ぎた後や、特に油物を多く食べた後に
・吐き気や上腹部の痛み(特にみぞおちの辺り)
・右上腹部に痛みや圧迫感
・背中にかけての鈍痛や"こった"感じと張り
以上のような症状が、短時間であとをひかずに治まる場合はいいのですが、痛みが持続して治まらない場合は胆のう炎へと移行し非常に危険な状況になります。
・鳩尾や右上腹部の激痛(おさえると痛みが強くなる)
・発熱、黄疸
急性胆のう炎は、腹痛で来院された患者様全体の3~10%を占め、腹痛患者様の中で、50歳以下では、6.3%、50歳以上では、20.9%にもなります。胆のう炎がひどくなると腹膜炎をおこしたり、肝機能障害を伴います。 総胆管に落下した結石が原因で急性すい炎という重篤な病気を併発することもあります。
胆管結石は、胆のう結石よりも激しく重い症状を引き起こす場合が少なくありません。 細い胆管に石が詰まってしまうわけですから、胆汁の流れが阻害されたり、胆管が石を出そうとして激しい痛みを起こしたりします。 胆汁の流れが阻害されると体が黄色になったり(黄疸)、肝臓にまで影響が及ぶこともあります。 緊急の場合は、内視鏡(胃カメラと同じ)で鉗子という細い器具を胆管に送り込んで石をかきだしたりします。 胆のう結石が胆管に転がってつまる場合もありますが、肝臓内の胆管に石が詰まる場合は、石ができた原因(癌?、胆管の形に異常?、肝臓自体に問題?など)も含めて対策を考える必要があります。 胆管結石と胆のう結石はこのように症状や治療が異なりますので注意が必要です。 胆管結石の治療も当院で行っています。ご質問などありましたら、お気軽にご相談ください。
胆のう結石症の診断には腹部(左の図の緑円の部分)の検査を行います。
いろいろな検査があり、それぞれ患者様の状態に応じて実施していきます。
最も負担なく胆のうの状態や結石を直接みることができます。 ただし食事後や肥満体型の方は診断が難しくなります。
お腹の輪切りの写真で、お腹の中の臓器の関係がよく分かります。ただし写らない石もあります。
静脈から特殊なお薬(造影剤:肝臓から胆管へ流れるもの)を入れて、それが肝臓に吸収されて肝臓から胆管、胆のうに出てくる時間を見計らってレントゲンで撮影して間接的に胆管や胆のうを映し出します。 何となくぼんやりわかりますが、はっきりみえにくいこともあります。
狭い所で20分ほどじっとしなくてはなりませんが、造影剤を使わなくても鮮明な画像が得られます。 DICで分かりにくい時などは追加で検査します。