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病院情報公開

はじめに

DPC(入院医療費包括払い制度)とは 

Diagnosis Procedure Combination / Per-Diem Payment System」の略で、入院患者様の病名や診療内容の組み合わせに基づき、厚生労働省が定めた1日あたりの包括点数診断群分類(DPC)に基づく1日あたり包括払い制度(PDPS)から入院医療費を計算する制度のことです。

病院情報公開と目的

当院ではDPCデータから全国統一の定義と形式に基づいた病院情報を作成し、一般市民の皆様に、当院の特徴や急性期医療の現状を理解していただくことを目的として、病院情報の公開を行なっています。

また、病院の様々な機能や診療の状況などを具体的に数値化し、客観的に評価・分析することで医療サービスの質の向上を図っています。

公開している情報(指標)は、令和5年度(令和5年4月1日から令和6年3月31日)に退院された患者様のデータを対象として集計しています。

尚、DPCの制度上、次に該当される患者様は集計の対象とはなりません。

① 健康保険証を使用されない(自動車損害賠償責任保険や労災保険、自費など)患者様のデータ
② DPC対象外病棟(地域包括ケア病棟)のみに入院された患者様のデータ

 ■ 平均在院日数、患者数、平均年齢等の考え方について

在院日数 当院に入院していた(入院日から退院日まで)日数です。
患者数 1回の入院を1カウントしています。
平均年齢 入院日の年齢の平均値です。
転院率 該当する項目の症例数のうち、当院から他の病院へ転院(継続入院)された患者様の割合です。
 -(ハイフン) 患者数が10未満の場合には「-」としています。

 ■ 平均在院日数、患者数、平均年齢等の考え方について

1 病院指標

  1. 1) 年齢階級別退院患者数
  2. 2) 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 3) 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 4) 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 5) 脳梗塞の患者数等
  6. 6) 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. 7) その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

2 医療の質指標

  1. 1) リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 2) 血液培養2セット実施率
  3. 3) 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

年齢階級別退院患者数

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退院患者さんの人数を10歳刻みの年齢階級別に集計しています。

年齢階級別退院患者数グラフ
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 34 211 185 248 386 434 566 380 112

主な診療科は外科、整形外科、内科、消化器内科であり、入院の大半は手術目的です。
入院患者全体の平均年齢は61.33歳、うち約4割を60~70代が占めるとはいえ、20~60代のいわゆる現役世代も多く、都市部に立地する地域特性を反映する急性期病院です。
また後述する外科の胆のう関連疾患の患者平均年齢は57.88歳、多汗症は同25.32歳、整形外科の腰椎椎間板ヘルニアも同49.32歳と平均年齢の低い症例が多いのも特徴です。

診断群分類別患者数等

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14桁のDPCコード(診断群分類番号)について、各診療科別に集計しています。
項目は、DPCコード(診断群分類番号)に対する患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢、患者用パスの有無で、各診療科別に上位5つを掲載しています。

【用語について】

DPCコード

DPCでは、入院の患者さんの病名と治療内容(手術や処置など)の組み合わせにより4,726種類(令和4年度)の診断群に分類され、それぞれに14桁のDPCコード(診断群分類番号)が割り振られています。

このコードは、病気と治療内容によって分類されますので、同じ病気であっても治療方法が違えばDPCコードは異なります。
DPC名称 どのような病気で、どのような治療内容を行ったかを表しています。
平均在院日数(自院) 当病院に入院していた日数(入院日から退院日までの日数)の平均値です。
平均在院日数(全国) 厚生労働省より公表される令和5年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
患者用パス ある一定病気に対して、治療・検査・処置などの内容をスケジュール表(パス表)にまとめ、治療内容を標準化した「治療計画表」のことです。治療時に患者さんにお渡し、説明を行っております。また、患者用パスが存在するものについては、患者用パスを掲載しています。
診療科名:外科診療科コード:110
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆のう水腫、胆石性胆のう炎の腹腔鏡下胆のう摘出術 394 6.17 6.87 0.25% 57.15 腹腔鏡下胆のう摘出術
060160x001xxxx 15歳以上の鼠径ヘルニアの腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 295 2.98 4.55 0.34% 63.49 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術
060340xx03x00x 胆管結石、胆管炎 内視鏡的胆道結石除去術等手術 54 3.98 8.75 0.00% 71.07 -
170020xxxxxx0x 急性アルコール中毒の治療 33 1.33 3.05 0.00% 29.94 -
080240xx97xxxx

多汗症の手術

31 1.35 3.09 0.00% 25.32 多汗症手術

身体への負担を可能な限り軽く、社会復帰を1日でも早くできるよう、鏡視下手術を積極的に採用し、術後の早期回復、早期退院に努めていることが平均在院日数に数字として顕著に表れています。
外科で最も症例の多い胆のう水腫、胆石性胆のう炎では、従来はお腹に4カ所の小さな穴を開けて腹腔鏡下胆のう摘出術を採用していましたが、2009年より1ヵ所の小さな穴を開けて行う単孔式腹腔鏡下胆のう摘出術を採用し、更なる低侵襲を実現しました。
また、平成10年より開始した日帰り手術では鼠径ヘルニア、多汗症などかなりの症例数を誇り、当診療科の2位、5位となっています。

整形外科診療科コード:120
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070343xx97x0xx 腰部脊柱管狭窄症・脊椎すべり症の手術 検査・ブロックなし 69 24.17 15.66 1.45% 69.35 腰椎手術
070350xx02xxxx 椎間板変性、ヘルニア 椎間板摘出術(後方摘出術) 54 21.39 14.08 0.00% 46.81 頚椎手術 腰椎手術
160800xx01xxxx 大腿近位(頚部・転子部等) 骨折の骨接合術・人工骨頭挿入術等手術 38 46.42 25.50 36.84% 83.34 大腿骨頚部骨折手術(人工骨頭・骨接合)
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性含む)の人工関節置換術 36 39.64 21.96 5.56% 75.67 人工膝関節全置換術/人工単顆置換術
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎椎体圧迫骨折の保存的治療 29 44.38 19.34 20.69% 84.48 -

当診療科は脊椎・脊髄手術を強みとし、第1位の腰部脊柱管狭窄症及びすべり症に対する椎弓形成手術の症例が最も多く、次いで、椎間板ヘルニアに対する椎弓形成・ヘルニア摘出術・後方固定術が第2位となっています。膝・肩といった関節疾患にも注力しており、膝の人工関節置換術が第4位となっています。

消化器内科診療科コード:500
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 大腸良性腫瘍(大腸腺腫・大腸ポリープ)の内視鏡的手術 180 2.22 2.61 0.00% 64.56 大腸ポリペクトミー・EMR
060380xxxxx0xx 感染性(ウイルス性)腸炎の治療 45 4.11 5.64 2.22% 43.91 -
170020xxxxxx0x 急性アルコール中毒の治療 44 1.38 3.05 0.00% 29.95 -
060102xx99xxxx 大腸憩室炎・憩室出血等(穿孔又は膿瘍を伴わない)の治療 39 6.44 7.58 0.00% 60.18 -
060210xx99000x 腸閉塞(イレウス)の治療 27 7.67 8.95 0.00% 74.59 -

消化器内科では、大腸良性腫瘍の内視鏡的手術が最も多くなっています。
また検査・治療を行う内視鏡センターにはカプセル内視鏡や経鼻内視鏡、超音波内視鏡など各種ハイビジョン高画質タイプの器具を揃え、早期発見できる体制を整えています。
目指すのは「早期発見・早期治療」。
当診療科で対応が難しいがん等については、外科で対応する体制となっています。
また当診療科では、消化管全体の炎症や感染症、出血などの緊急患者さんの受け入れを行っているため、その症例数が第2位、第4位となっています。
3番目の疾患については、当院が救急指定病院であること、都市部に立地しているためと考えられます。

診療科名:内科診療科コード:010
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
170020xxxxxx0x 急性アルコール中毒の治療 11 1.45 3.05 0.00% 25.91 -

前述のとおり、急性アルコール中毒の患者さんを多く受入れているため、当診療科で第1位となっています。また、上記データには反映されていませんが、心不全の患者の症例数が第3位となっています。
他の病院と連携をとり、リハビリ治療が必要な患者さんを受け入れ、患者さんが1日も早く社会復帰できるようスタッフ一丸となり取り組んでいます。
心不全が悪化した緊急の患者さんの受け入れも行っています。

肝臓内科診療科コード:501
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
170020xxxxxx0x 急性アルコール中毒の治療 22 1.36 3.05 0.00% 34.09 -
060280xxxxxxxx アルコール性肝硬変(肝障害)の治療 13 21.38 12.91 0.00% 55.08 -

前述のとおり、急性アルコール中毒の患者さんを多く受入れているため、当診療科で第1位となっています。当院では平成28年4月に「肝臓内科」を新設し、軽度の肝障害から慢性肝炎、肝硬変、肝がんの肝臓病の全般の治療ができるようになりました。また、平成29年4月より肝疾患専門医療機関の指定病院となっています。
肝臓内科では、非代償性肝硬変の患者さんを多く受入れています。また、内視鏡的治療や肝切除等が必要な場合には、消化器内科や外科で対応できる体制を整えています。

診療科名:糖尿病内科診療科コード:530
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
170020xxxxxx0x 急性アルコール中毒の治療 17 1.35 3.05 0.00% 28.00 -
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸無呼吸症候群の検査(終夜睡眠ポリグラフィー)入院 10 2.00 2.03 0.00% 45.20 -

前述のとおり、急性アルコール中毒の患者さんを多く受入れているため、当診療科で第1位となっています。上記データには反映されておりませんが、糖尿病内科では、2型糖尿病に対するインスリン治療(教育入院)も積極的に行っております。
また、当院では令和1年6月に「糖尿病内科」を新設し、これまでの通院治療に加え、専門的な糖尿病の入院治療もできるようになりました。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を、初発のUICC病期(ステージ)分類別、および再発に分けて集計しています。
この指標の患者数は、延患者数となります。同じ患者さんが複数回入院された場合、入院期間ごとの数で患者数を集計しています。
また、ステージが「0」のものについては集計対象外としています。

■UICC病期分類・・・国際対がん連合(UICC)によって定めたTNM分類(T:原発巣の大きさと進展度、N:所属リンパ節への転移状況、M:遠隔転移の有無の分類)によって、各がんの病期(ステージ)を5つに分類しています。

がんの病期(ステージ)分類
Stage0 上皮内がん
StageⅠ 原発臓器に限局するがん
StageⅡ
StageⅢ 局所進展するがん、特に所属リンパ節に転移を有するがん
StageⅣ 遠隔転移を有するがん
5大癌 初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 6 3 8 1 4 6 1 8
大腸癌 12 10 20 37 1 7 1 8
乳癌 24 21 4 1 2 4 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

当院では胃癌・大腸癌は外科・消化器内科、乳癌・肺癌は外科、肝癌は外科・肝臓内科で治療を行っています。 StageⅠについては消化器内科にて、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)により、早期治療を目指します。内視鏡での治療が難しい症例は、外科を中心に手術・化学療法・緩和ケアなどの選択肢の中から患者さんの状態にあった、希望に沿った治療を組み合わせて行っています。
再発癌については、がん専門病院と連携し、多くの進行再発癌の患者さんを受け入れています。
乳癌については、平成28年9月より専門クリニックと新たに連携したことを契機に症例数を伸ばしています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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成人(18歳以上)の市中肺炎(※1)の患者さんについて重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計しています。
重症度は、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類を用いて分類しています。
この指標では、「入院のきっかけとなった傷病名」と「最も医療資源を投入した傷病名」が肺炎の患者さんを集計しており、インフルエンザウイルスなどのウイルス肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、急性気管支炎、小児肺炎などは集計対象外としています。

※1 市中肺炎とは、病院外で日常生活をしていた人に発症した肺炎です。

肺炎の重症度分類 治療の場との関係
軽症 外来治療レベル
中等症 外来または入院レベル
重症 入院レベル
超重症 ICU入院レベル
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 - - -
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -

各重症度区分の患者数が10症例未満であったため、上記データには反映されておりませんが、患者数が最も多いのは中等症の患者さんとなっています。
軽症の平均年齢が40歳代に比べ、中等症は平均年齢が90歳前後と高齢になっており、成人市中肺炎は高齢になるほど重症化してい ることが分かる結果となりました。
成人市中肺炎診療ガイドラインでは、軽症の患者さんは外来治療となっておりますが、癌などの既往があったり、他疾患の併発・合併が懸念される場合など、重症化が危惧され入院となるケースもあります。
なお、この指標にありませんが、当院では、主に内科で肺炎の患者さんの緊急受け入れを行っています。

脳梗塞のICD10別患者数等

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脳梗塞の分類にあたる患者さんについて、患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しています。
この指標では、「最も医療資源を投入した傷病名」が脳梗塞のICD-10 I63$に該当した患者さんを集計しています。

※ICD(国際疾病分類)とは、正式な名称を「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」といい、疾病、傷害及び死因の統計を国際比較するためWHO(世界保健機関)から勧告された統計分類のことです。ICDはアルファベットと数字を用いコード化されたものであり、コードによってその病名が表されています。現在、わが国ではWHOによる第10回目の改訂版「ICD-10」に基づき、傷病名の統計分類を行っています。

傷病名 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- - - - -

当院には脳神経外科や神経内科等が無いため、専門的な治療が必要な患者さんは、基本的に他の医療機関へご紹介させて頂きます。ただし、患者さんが当院での治療を強く希望された場合は、連携している専門医の指示・協力を仰ぎ、当院にて治療させて頂くこともあります。
こうした場合に備え、平素より他院との連絡を密にとり、スピーディーに判断、対応できる体制作り、連携に取り組んでいます。

診療科別主要手術別患者数等

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手術件数が多い順に上位5手術(Kコード)について、診療科別に集計しています。
項目は、手術(Kコード)に対する患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢、患者用パスの有無を掲載しています。
入院中に複数の手術を行った場合については、主たる手術(又は点数の最も高い手術)のみをカウントし、集計しています。
輸血関連(K920$)や創傷処理、非観血的整復術、徒手整復術等の軽微な手術や加算等については集計から除外しています。

【用語について】

Kコード 医科の診療報酬点数表で定めた、手術に対する点数表コードのことです。
名称 手術術式の名称です。
平均術前日数 入院日から手術日まで(手術日当日は含まない)の平均日数です。
平均術後日数 手術日から(手術日当日は含まない)退院日までの平均日数です。
患者用パス ある一定病気に対して、治療・検査・処置などの内容をスケジュール表(パス表)にまとめ、治療内容を標準化した「治療計画表」のことです。治療時に患者さんにお渡し、説明を行っております。また、患者用パスが存在するものについては、患者用パスを掲載しています。
外科診療科コード:110
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 441 1.21 4.64 0.45% 57.71 腹腔鏡下胆のう摘出術
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 296 0.07 1.90 0.34% 63.31 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術
K196-2 胸腔鏡下交感神経節切除術(両側) 31 0.13 0.23 0.00% 25.32 多汗症手術
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 29 0.59 3.07 0.00% 37.66 腹腔鏡下虫垂切除術
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 29 0.62 3.17 0.00% 71.07 -

前述の通り、1位は胆のう疾患に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術となっています。
鼠径ヘルニアについては、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(TAPP) が第2位となっています。
また第3位は多汗症に対する手術であり、平均術前日数0.13平均術後日数0.23日に表れているようにほぼ日帰り手術で行っています。

診療科名:整形外科診療科コード:120
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 177 3.56 20.08 2.26% 62.96 頚椎手術 腰椎手術
K0821 人工関節置換術(膝)(股)(肩) 67 1.94 40.45 2.99% 75.54 人工膝関節全置換術/人工単顆置換術
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 51 5.51 29.31 0.00% 67.31 腰椎手術
K0461 骨折観血的手術(大腿)(上腕) 28 2.43 44.29 32.14% 83.46 上肢骨折手術 下肢骨折手術
K0811 人工骨頭挿入術(股)(肩) 17 3.47 52.82 41.18% 81.88 大腿骨頚部骨折手術(人工骨頭・骨接合)

整形外科では、脊椎疾患(脊柱管狭窄症、すべり症、ヘルニア、脊髄症、後縦靱帯骨化症等)の患者さんが多く、手術件数も同様に脊椎疾患に対する「椎弓形成術」が最も多くなっています。
当診療科第2位の人工関節置換術は、「膝」が40件、「股」14件、「肩」13件となっており、膝の疾患については、変形性膝関節症に対する人工関節置換術が最も多くなっています。

診療科名:消化器内科診療科コード:500
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 162 0.14 1.04 0.00% 64.67 大腸ポリペクトミー・EMR
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 14 0.93 3.64 0.00% 62.14 大腸ESD
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 13 0.92 1.54 0.00% 67.46 -

前述のように内視鏡治療に注力しているのが分かる結果となっています。
大腸良性腫瘍に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)が第1位、早期大腸がんに対する早期悪性粘膜下層剥離術(ESD)が第2位、上記データには反映されていませんが、早期胃がんに対する早期悪性粘膜下層剥離術(ESD)が第5位となっています。

診療科名:肝臓内科診療科コード:501
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 16 5.44 10.56 0.00% 63.50 -

肝臓内科では、腹水濾過濃縮再静注法(CART)の治療が必要な 難治性腹水を呈した肝硬変症の患者さんを積極的に受け入れていることが分かる結果となっています。

その他

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「最も医療資源を投入した傷病名」が播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、真菌感染症、手術・術後等の合併症について、患者数と発生率を集計しています。また、「最も医療資源を投入した傷病名」と「入院契機(入院のきっかけとなった傷病名)」が、「同一」か「異なる」かで分類し 集計しています。

【用語について】

播種性血管内凝固症候群(DIC) 重篤な感染症や悪性腫瘍などの様々な基礎疾患を原因として起こる、全身性の重篤な病態のことです。
敗血症 感染症によって起こる全身性炎症反応の重篤な状態です。
真菌感染症 真菌によって起こる感染症です。
手術・術後等の合併症 手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染症などが挙げられます。合併症はどのような術式でもどのような患者さんでも一定の割合で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。
入院契機 入院のきっかけとなった傷病名「入院契機病名」のことです。
発生率 全患者数のうち、該当疾患を発症された患者さんの割合です。
入院契機が「同一」・「異なる」

入院契機が「同一」の場合は、ある病気の治療目的で入院し、その病気の治療を行ったことを表します。(例:合併症等を既に発症した状態で入院し、当院で治療。)
一方「異なる」場合は、ある病気の治療目的で入院したが、併発していた病気、若しくは入院中に違う病気(この指標の場合、播種性血管内凝固症候群や敗血症、手術・術後等の合併症)を発症し、その治療が主だったものになってしまったことを表します。

(例:当院入院後、合併症等を発症。)
DPC6桁 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・術後等の合併症 同一 - -
異なる - -

播種性血管内凝固症候群や敗血症は、DPCで高額な点数が設定されているため、臨床的に根拠のある診断でなければアップコーディング(不適切な入院医療費請求)と疑われるものとされています。
当院では臨床的に根拠のある診断を基に 診療内容(医療資源)も勘案した上で、DPC病名の決定、入院医療費請求を行っています。 当院で敗血症を傷病名としたケースは、10症例未満という結果となりました。
手術・術後等の合併症については、他医療機関で手術を行い、術後に合併症を発症された患者さんの紹介を積極的に受け入れているため、発生率が0.16%となっています。特に当院では、内視鏡手術後の術後出血の患者さんや、透析シャントトラブル術後の患者さんがいらっしゃいます。

脳梗塞のICD10別患者数等

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リスクレベルが「中」以上の手術の実施と 肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者について、患者数と実施率を集計しています。

【用語について】

肺血栓塞栓症 肺血栓塞栓症は、以前、「エコノミークラス症候群」として有名となった疾患です。
「エコノミークラス症候群」は、飛行機の狭い座席で長時間安静にしていると主に下腿に血栓ができ飛行機から降りて歩行した時、血栓が剥がれ血流に乗って 肺へと移動して肺の血管に詰まり、様々な症状が起こる病態です。これと同様に、手術前後は安静を必要とし、その上特に術後には血液の固まりやすい状況が起ります。近年、肺血栓塞栓症の危険因子が明らかになっており、危険因子レベル(リスクレベル)に応じた予防対策を行うことが大変重要であるとされています。
予防対策 (方法と実施の対象) 予防対策の方法には、弾性ストッキングの着用や間歇的空気圧迫装置の使用、抗凝固療法等があります。
これらの方法の実施は、ガイドラインに則り、手術のリスクレベルに「付加的な危険因子(付加的リスク)」を加味して総合的に判断し、最終的なリスクレベルが「中」「高」となった患者さんが対象となります。
実施率 リスクレベル「中」以上の手術を施行した患者のうち、予防対策を実施した患者さんの割合です。
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母) 分母のうち、 肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子) リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
808 704 87.13%

周術期(術前・術中・術後)に肺血栓塞栓症の予防対策を実施することは、肺血栓塞栓症の発生率を下げることに繋がるため、医療の質向上のために予防対策の実施率を上げていくことが求められています。
当院の実施率は87.13%という結果となりました。査定等の影響で上記データには反映されておりませんが、当院では「肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン」に則り、インフォームド・コンセントから予防対策実施まで、より良い医療が提供できるよう積極的に予防対策を行っています。

脳梗塞のICD10別患者数等

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血液培養の実施と 血液培養を2セット実施したものについて、日数と実施率を集計しています。

【用語について】

血液培養 血液培養は、本来無菌である患者さんの血液から病原体である起炎菌(細菌や真菌など)を検出・培養する検査のことです。 敗血症などの血流感染症の診断に用いられ、早期診断と適切な治療方針の決定、感染源の起炎菌を特定することができます。
2セット実施 ガイドラインにおいて、血液培養2セット以上の採取(実施)が推奨されています。 その理由として、血液中の菌量は非常に少数であり、2セット採取することで血液採取量が増え 起炎菌検出率が向上すること、また、皮膚常在菌が検出された場合にコンタミネーションの判断をするために2セット以上の採取が推奨されています。
実施率 血液培養のオーダー実施日数のうち、血液培養のオーダーが1日に2件以上実施された日数の割合です。
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数(分子) 血液培養2セット実施率
105 89 84.76%

当院での血液培養2セット実施率は84.76%という結果となりました。
ガイドラインに基づき、血液培養2セット以上の実施を原則としていますが、血管の確保が難しいなどの理由により、患者さんの状況に応じて1セットのみ実施する場合があります。

脳梗塞のICD10別患者数等

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広域スペクトル抗菌薬の使用と その使用日までの間に細菌培養(細菌培養同定検査)が実施された患者について、患者数と実施率を集計しています。

【用語について】

広域スペクトル抗菌薬 菌のタイプによって、効果のある抗菌薬は異なります。効果のある菌の範囲を「スペクトル」といいます。 抗菌薬の中でも、複数の菌タイプに有効なものは、広い範囲の菌に効果があるとして「広域スペクトル抗菌薬」と呼ばれています。
細菌培養(細菌培養同定検査)の実施 近年、多剤耐性アシネトバクターなど、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例の増加が世界的にも問題となっています。 不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、抗菌薬適正使用の推進が求められています。その鍵を握るのは正確な微生物診断であり、抗菌薬使用前の適切な検体採取と細菌培養同定検査の実施が必要であるとされています。
実施率 広域スペクトル抗菌薬を使用(処方)した患者のうち、入院から抗菌薬使用日(処方日)までの期間に細菌培養同定検査が実施された患者さんの割合です。
広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(分母) 分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子) 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
46 30 65.22%

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率は65.22%となりました。 当院では院内感染対策チーム(ICT)を組織し、院内感染の防止のため様々な活動を行っています。 抗菌薬については全ての種類の使用状況を把握するとともに ICTが指定する抗菌薬の使用の際には、細菌培養同定検査の実施の確認及び促進をするなど、耐性菌発現防止のための抗菌薬適正使用の推進にも取り組んでいます。 また、感染対策連携共通プラットフォームに参加し、耐性菌の発現を把握した際には状況を報告・共有しています。